こんちはニッチマンです。
完全犯罪ってあると思いますか?頭のいい犯罪者が企む自身の罪を隠蔽した犯罪。時には証拠を残さない様に立ち回り、それでまんまと罪から逃れたりします。今回のアンビリバボーで紹介されるのもそういった頭のキレる犯罪者のお話。
1985年、エレンという女性が自宅で絞殺された。容疑者として浮上したのはエド・シャーマン。大学で教師をしている彼女の夫だった。しかし、遺体の死亡推定時刻に、エドは友人たちと船に乗り海上にいたというアリバイが。
遺体の第一発見者である人物の証言から、エアコンの設定が異常に低くされており、遺体の状態が操作されていたと推理。本当の死亡時刻が分かれば、エドのアリバイも崩れる。刑事・マルチックは徹底した聞き込みから、本当の死亡時刻を絞り込んだ。これでエドのアリバイは完全に崩れた、はずだった。しかし、頭の切れるエドは万一のために他にも天才的な策略をめぐらせていた。なかなか確証を掴めないマルチック刑事はついに責任を追及され警察を追われてしまう。しかし退職後も諦めず、ひとり捜査を続行することを決めたのだった!:アンビリバボーHPより引用
アンビリバボーでは刑事のマルチックの視点で話が進められるとおもいますが、ココでは事件について調べてみました。
エレン・シャーマン殺害事件
1985年の8月の暑い日、エド・シャーマンは妊娠中の妻のエレンを残して、友人たちと船で釣りに出かけた。比較的近所であるケープコッドへの短い釣り旅行。仕事終わりの午後4時に家に帰宅した後、釣りに出かける為に準備をし、午後7時頃に釣り仲間のロジャーと合流。
その後、ロジャーの車でもうひとりの仲間のハワードの元へ向かいそこから目的地のケープコッドへ向かいました。この時ハワードの家からエレンに電話をしていた。
翌日の土曜日になり、エドは非常に心配になることを思い出した。ボートのバッテリーを外すのを忘れており、それを妻のエレンにお願いしようと何度も電話を掛けるが妻は出ない。
しかも妻は今妊娠中で心配になり、妻エレンの友人のバーバラに連絡して様子を見に行ってくれないかと依頼した。
バーバラはエレンとエドの家に着くと鍵が掛かっているがエアコンの室外機が動いており、中に人がいる可能性がある。しかし呼び出しをしてもでてこない。心配になったバーバラはもうひとりの友人であるレン・フレンドリクセンを呼び出した。
フレンドリクセンは異常を感じて強引に家に侵入。するとソコには変わり果てたエレンの姿があった。
彼女は裸で近くには首を締めた時に使用されたであろうブラやショーツの下着が散乱していた。
以上がエレン・シャーマン殺害事件の概要である。ネタバレになるが、犯人は夫のエド。彼が使ったトリックとは?
エド・シャーマンのアリバイトリック
結論から言うと、エアコンを使った死後硬直時間の誤認を招く使い古されたトリック。すでに現在なら通用しないと思われるがこの時は通用し、4年間もの間この罪に問われる事がなかった。
エドは友人たちと確かに釣りに出かけ、アリバイがあるかの様に振る舞ったが、実は金曜日にエレンは殺害されており、ハワードの家から掛けた電話はフェイク。エドの演技による物だった。
土曜日になり、バッテリーの心配をするフリをして妻が電話に出ない事の異常性を演出しつつ、第一発見者を自分以外の人物にする為に友人に電話をして発見してもらうという用意周到なもの。
エドは金曜日にエレンを絞殺。その後エアコンの出力を最大にして冷却、第一発見者のフレンドリクセン曰く部屋はまるで冷蔵庫の様な寒さだった。。とされる。
尚、この手口は映画『ブラックアウト』で使用されたものと同じであった。
警察の鑑識にもミスが有った可能性もある。
実はこのトリック、エドにとっては幸運があった、第一発見者のフレンドリクセンが部屋のドアを解放しっぱなしであり、冷気が外へ流れ出て8月の暑さが部屋には戻っていた。警察もこの状況のからの死亡推定時刻を算出、それが土曜日の夜となり、エドのアリバイが成立してしまった。
もちろん部屋の設定温度などからの推察しはしたが、正確性で言えばかなりのロスとなったと思われる。
1990年ヘンリー・リー博士による再検査
事件は1990年に大きく動きました。コネチカット州の犯罪研究所の所長であるヘンリー博士がこの事件について調査。すると2つの疑問点があらわれた。
それは『冷蔵庫の様な状態』だった部屋とエレンの検死時の胃の内容物の『リングイネ』の消化状態。実は胃の消化酵素は温度によって大きく変化する。最初の検死時で胃の中にアサリを含んだリングイネが未消化の状態で発見された。
ヘンリー博士は証言の『冷蔵庫のような部屋』の温度が仮に冷蔵庫並だった場合の胃の内容物の消化速度を再検査した後に死亡推定時刻がどうなるのかを改めて調査するように依頼。
すると死亡推定時刻はもっと早い可能性がでてきた。
更に、通常の生きた状態でのリングイネの消化状態を調べた結果、エレンが死亡した時と同じ状態になるには約4時間かかる事がわかった。そして金曜日の昼にエレンが友人とリングイネを食べていた事もつきとめたのである。
エド・シャーマンのアリバイが崩れたのは友人の娘の証言
そして決定的な証言としてでてきたのが、エドがエレンに掛けていた電話が嘘だった。というもの。これは金曜日に釣り仲間のハワードの元へ行った時に家の電話からエレンに電話をかけた。
確かにハワードの家の電話を使用して自宅のエレンに電話はかけていたのだ。しかしここでエドには思いもよらない事がおきる。
自宅電話の内線機能で親機の会話に子機がはいる事が可能だったようで、この時たまたま友人に電話をしようとして子機の受話器をとったハワードの娘はその受話器から届く内容を覚えていた。
エドが通話しているのは妻のエレンではなく『自宅の留守番電話』だったのだ。
エドは妻と話すフリをして、留守番電話に向かって喋っていた。つまりこれは金曜日の夜の時点で既にエレンはしゃべることができない状態にあった事を意味していた。
なぜエドは妻のエレンを殺害したのか?
なぜエドが妻のエレンを殺害したのか?これは男女関係のもつれ以外の言葉が出てこない。
調べてみると、両方ともに複数の恋人がいた時期があったり、海外ではオープンマリッジとよばれている夫婦間以外の性的な関係にたいして相互の合意のもと行われている。
不倫や浮気と違うのは双方の合意のもとその様な関係を持っていた。
しかしエレンは通常の婚姻関係に戻るか、離婚するかをエドに迫っていた。その離婚の後押しをしていたとされるのがヘンドリクセンだった。この事から、エレンとヘンドリクセンの関係を怪しむ事が考えられ嫉妬により殺害したのでは?と思われた。
他にも、エドには当時同棲していたナンシー・プレスコットという愛人(オープンマリッジで愛人というかは不明だが)がおり、その為にエレンは離婚したいと思っていていたが、その事について事件の一週間前にやはり離婚を止める様にアプローチをしたという証言もあった。
振り回されたと感じたエドが邪魔になったエレンを殺害したのでは?と思う。
エド・シャーマンの裁判とその後と現在
エド・シャーマンはその後1992年に殺人の罪で有罪判決を受け、懲役50年の罪となる。しかし52歳の時に収監中のサフィールドにある刑務所の中で心臓発作の末に獄中死している。
まとめ
うーむ、調べてみたんですけど、どうも釈然としないですねー。エアコンだけでそこまで冷えるのか?とか思ったりしましたが。。。まぁ胃の中のリングイネの実験や実際に電話をしていなかったという証言などで有罪になったようです。
アンビリバボーでは何やら死亡推定時刻についてなにやら策を弄した話になってましたが、ちょっと調べた中にはありませんでした。
既に獄中死しているので事件の本当の真相があるとしてももはや日の目を見ることはなさそうですね。以上です。