こんちはニッチマンです。
日曜THEリアルで紹介されるようなんですけど、『裁判史上唯一』ってことで『ええ?そんなのあったの?』と思って調べてみました。時はあのノストラダムスの予言で一部湧いていた1999年の出来事。
日曜THEリアルでは、法廷での出来事を中心に行われるようなのですね。ここでは起きた事件について中心に書き記して置きたいと思います。
1999年7月23日全日空61便事件
全日空61便ハイジャック事件は羽田空港発新千歳空港行きの全日空輸61便で起きた事件。乗員・乗客合わせて517人を乗せたフライトで起きます。
客室乗務員を刃物で脅し、コクピットへ案内させて、副機長らをコクピットから追い出し、機長と二人きりで立てこもります。そして機長を刺殺し自身で航空機を操縦しようとします。
高度が急激に下がりアラートが鳴り響き、副機長らがコントロールを取り戻すべくコクピットに突入。犯人を取り押さえ、羽田空港へ引き返し、機長の尊い命と引き換えに『最悪の大惨事』は回避された。
では事件について細かく見てみようと思う。
全日空61便の犯人西沢裕司とは?犯行の動機は?
この事件の犯人についてはかなり特殊なケースと言えるかもしれない。西沢裕司は1970年生まれ、小学生時代にいじめにあっており、武蔵野中学・高校をでて一橋大学商学部に入学。
元々鉄道マニアであったが、学生時代に一度興味が航空機へと向いている。
アルバイトにて羽田空港にて航空機の荷役関係の仕事についており卒業後の第一志望は航空関係だった。その後JR貨物に就職するも、仕事の失敗やなれない単身での生活から無断欠勤を頻発するようになり、失踪した過去がある。
実家に戻るが引きこもり、家族の勧めで精神科へ通うようになる。診断結果は『総合失調症』や『心因反応』とされ、数多くの抗うつ剤などを処方されていた。
また、鬱の為か、自殺願望を抱くようになり、服薬などで未遂を繰り返して警察へ相談。警察の職権で訳2ヶ月の措置入院を経験している。
退院後も改善されず、抗精神病薬を出されていたらしい。
犯行の動機
犯行の動機は実に信じられないものでした。『レインボーブリッジをくぐりたい』や『宙返りやダッチロール』をしてみたかったなど、実に幼稚な理由で犯行に及んでいたのです。
また、機長を刺した理由についても『言うことを聞かなかった為』と身勝手極まりない発言をしている。機長に『疲れてませんか?』と問いかけ機長が『疲れている』と返事した為に楽にしてあげようと思ったとも。
なんと恐ろしい。逮捕後はアスペルガー障害と抗鬱剤の影響と診断されている。
また、この事件以前に羽田空港の警備体制の欠陥を指摘しており、この様な手口が出来ることを全日空に送っており、警備員として自身を雇うように提言したがこれを断られ、さらに対策がとられていない事が直接の動機となったとも言われている。
全日空61事件の凶器の刃物はどうやって持ち込まれた?その手口は?
通常、機内に凶器となる刃物を如何にして持ち込んだのか?これは確実に空港の手荷物預かりのシステムの裏側をついた犯行だった。と同時にこのような手法で犯行が可能であった事実もまた恐怖を感じるのだが。。。
犯人はまず羽田空港の手荷物預かり所に中に刃物が入ったカバンを預けている。当然、『手荷物預かり』では中に刃物が入っていても持ち込む事は可能である。そしてまずは大阪の伊丹空港へむかった。
伊丹空港で荷物を受け取ると次に伊丹空港から羽田空港へフライト、この時も刃物の入ったカバンを預けている。羽田空港で預けた手荷物がコンベアーで運ばれてくると、荷物をピックアップ後、なに食わぬ顔で通路を逆行。出発ロビーへとつながる階段をあがりまんまと刃物を持ち込むことに成功している。
当然、この方法はもう現在は使用できない。逆行防止の為にゲートをもうけている。さらに警備員も配置してこれを阻止している。
全日空61便事件の裁判の判決と犯人のその後は?
2005年3月23日に東京地裁にて犯人西沢裕司に求刑通りの無期懲役が言い渡された。弁護側からの控訴はおこらず、刑は確定する。
裁判史上唯一の罪状であるのはがこちら。
航空機強取等致死罪(ハイジャック防止法2条)
暴力や脅迫で飛行機を乗っ取り(ハイジャック)、その行為によって人を死亡させた罪で、死刑又は無期懲役
千葉刑務所に収監されている西沢裕司ですが、獄中から手紙のやり取りをしていたとの情報もあります。相手がだれなのか?についてははっきりとした情報はなかったのですが、親戚や支援団体が相手だったのでは?といわれています。
まとめ
以上で史上唯一のハイジャック致死事件としてしられる全日空61便事件についてでした。この事件、もし犯人が取り押さえられていなければ乗員乗客のみならず、市街地に突っ込んだ可能性もありその場合は航空機史上最大級の被害が出る可能性があったそうです。
航空会社のセキュリティの甘さを指摘する所までは良かったのですが、その後の行動が愚劣極まると感じざるを得ない内容と思いますね。以上となります!